2016年5月に1億円以上の資金調達をした国内のスタートアップをまとめました。資金調達情報はサイト売買のシテマが独自調査したデータなので、全ての資金調達情報が含まれているとは限りません。IOT関連が3社、VR関連が2社となっております。
SORABITO株式会社
- 発表日
- 2016年5月9日
- 調達先
- GMO VenturePartners、小泉文明、高野秀敏、グリーベンチャーズ、JA三井リース、オプトベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル
- 資金調達額
- 5億円
産業機械の国際オンライン取引所「ALLSTOCKER(オールストッカー)」の企画・開発・運営するスタートアップ。
「ALLSTOCKER」は、建設機械や農業機械を中心とした産業機械の取引ができるマーケットプレイス。メガバンク等との連携により独自の決済機能を実現し、売り手の保管場所から世界中に機械を運送する物流機能、全国統一鑑定基準に基づき出張鑑定をする鑑定機能を一括で提供することで、産業機械流通の効率化を目指している。
2度目の資金調達で自社サービスをさらに強化していくことを目指すとのこと。
ナーブ株式会社
ゲームや映像コンテンツの発信といったエンターテインメントではなく、企業向けに販売促進やマーケティング効果を狙ったソリューションサービスを提供。
技術的なスペック(解像度やセンサーなど)そのものではなく、それらの最新のスペックを素早く取り込み、ビジネス・サービスとして現実に使える応用アプリケーションを提供することを目的としている。
事業の内容としてVRを利用したサービスが主軸で、不動産仲介業者がもっとも時間を使う内覧案内を、VRを活用することによって効率化を図ったり、外国人旅行者に対して日本への興味を更に喚起するため、来日前の海外での利用や、日本滞在中のガイドツールとしてVRを活用してもらったりと、広範囲に及ぶ。
今回の資金調達により、更なる経営基盤の強化を図るとともに、VRクラウドにおける開発・マーケティング強化と人材拡充の加速を予定しているとのこと。
株式会社ソラコム
IoTプラットフォームソラコムは、MVNOとしてデータ通信SIMを提供。また、モバイル通信とクラウドを一貫して提供。IoT / M2Mを実現する際に、データ通信の課題は避けられないがソラコムは通信手段として、LTE / 3G 回線を使用して低コストで繋げることができる。
2015年3月に創業チームの自己資金でスタートしたソラコムは、その3カ月後の6月に約7億3000万円の資金調達をしていたので、創業1年と少しで合計約31億円と、日本のスタートアップとしては大きめの資金調達をしたことになる。
TechCrunch Japanの取材に対してソラコム代表の玉川憲氏は、今回の資金でグローバル展開を加速するとのこと。
ワンダープラネット株式会社
名古屋に本社を構えるアプリ開発を得意とするスタートアップ。
LINEと2015年3月に合意した新ゲーム開発プロジェクトの展開をさらに加速させるべく、共同開発中の新規スマートフォンゲームを始め、中長期的な関係強化でLINEがグローバルに保有する豊富なユーザ基盤を活用した新たなゲームコンテンツを開発する予定で、良質なコンテンツをアジア地域を中心に世界へ向けて提供するべく努めているとのこと。
株式会社MUGENUP
キャラクターなどのクリエイティブ制作を提供するスタートアップ。
今回の出資については近年のコンテンツ消費量・消費スピードの劇的な変化に際し、より速やかにコンテンツを制作、配信する必要があるとし、MUGENUPのクラウドソーシングによる大量生産モデルに期待をしていると言及している。
MUGENUPは元々ゲーム系キャラクターの制作会社としてスタートし、その後、クリエイターネットワークをクラウドソーシング化、ワークフローを「キャラクター制作」に特化することで高品質のクリエイティブを各社の条件に最適化した形で提供することに成功した。
資金使途として、ゲームクリエイティブの事業を成長させつつ、自社の制作能力や仕組みを作る能力を生かしてオリジナルコンテンツ制作の可能性を探るとのこと。
株式会社オープンロジ
誰でも簡単に物流機能をアウトソーシングできる「オープンロジ」を運営。入庫検品、在庫管理、出荷・配送、返品管理まで一連の物流サービスを使った分だけ支払い従量課金で利用することができる。
調達した資金は主に人材強化に使われ、代表取締役の伊藤秀嗣氏によれば、現在15名ほどの人員を25名程度まで拡大する予定ということだった。また、同時にIMJIPの協力の元で東南アジアをはじめ、海外への事業拡大も推進するとしている。
Inagora株式会社
日本の事業者と中国の消費者を結ぶBtoBtoCの越境ECプラットフォーム「Wonderfull Platform」を運営。
前回の資金調達は、主に越境ECプラットフォームの機能刷新をはじめ物流面での強化を目的としていたが、今回は中国におけるマーケティング強化を目的としている。
中国の現地TV番組とのタイアップや、上海伊勢丹での美容イベントに「Wonderfull Platform」で取り扱う日本製商品を展示したショールームを出店するなど、今後は「O2O型の中国向け越境ECサービス」を積極的に展開していくとのこと。
株式会社クリーマ
ハンドメイド商品を個人間で売買できるマーケットプレイス「Creema」を運営。サービス開始は2010年、これまでに6万人以上のクリエイターが登録しており、240万点のハンドメイド商品が出品されている。
個人間でモノを売買するCtoC市場は近年非常に注目を集めており、市場規模は年間1兆円近くあると言われている。(CtoC市場について詳しくはこちら)
今回調達した資金を用いて、システム開発の強化に加え、これまでほぼ口コミに頼ってきたサービス認知についてマーケティング活動を本格化させ、2016年の年間流通総額で100億円を狙いたいとしている。
株式会社ダズル
スマートフォンネイティブゲーム・アプリの開発・運用を主軸として事業展開しており、2016年4月1日からVR市場に本格参入。
同社は既に2015年からVRの研究開発を進めており、現在VRゲーム開発が進捗中。うち2タイトルが6月リリース予定。さらに自社サービスとしてVRプロダクト向けミドルウェアの開発も進めている。
今回の資金調達の使途はVRプロダクト向けミドルウェアの開発及びプロモーションと人員拡大に伴うオフィス移転に充てるとのこと。
ターミナル株式会社
ファッションブランドの展示会におけるオンラインオーダーシステム「TERMINAL ORDER」を展開するターミナル。
これまで紙やFAXなどを用いて行っていた展示会の受発注業務をデジタル化し、スマートフォンやタブレットで行えるようにすることで作業の効率化を実現している。
2014年10月にサービスを開始し、今年の1月には英語版の提供も開始した。現在は170ブランド、5,000バイヤーにより利用されている。5月末に累計流通総額が100億円を突破。
今後の計画としては、バイヤーページの他言語対応、海外拠点の設立などを予定しており、海外展開の支援を強化。2017年度の海外バイヤーへの流通総額は40億円を目標としている。
また、2016年中に企業間取引の売掛の保証、請求代行、一時的な資金需要を解決する融資などを行う金融サービスの提供を予定しており、2020年までに1,000億円規模の事業に育てる計画。
WHILL株式会社
電動車椅子などの「次世代パーソナルモビリティ」の開発を手がけるWHILL。
車いすに取り付けるだけで時速20kmまでの走行を可能にする機械をクラウドファンディングで募り、開発に成功させている。
今後はシェアリングサービスなどの事業開発を検討している。
例えば、自転車の貸し出しやカーシェアリングのように、駅付近やアミューズメントパークなどの施設内でパーソナルモビリティを活用した事業を考えているとのこと。それに伴う機能開発、例えばパーソナルモビリティが自動で当初あった場所に戻るなどの自律走行機能などの開発を行うことも視野に入れているという。
株式会社Secual
工事なしで設置可能な住宅のセキュリティー用IoT端末を製作しているスタートアップ。
2015年6月に設立したSecualは同月、ウィルグループインキュベートファンドからシード資金を調達している。2015年8月には、WHILL同様にクラウドファンディングで目標額100万円のキャンペーンを行い、開始22時間後には目標額を達成し、最終的に600万円以上を集めることに成功した。2015年12月にはアドベンチャー、AMBITION、その他法人及び個人投資家らから総額6000万円の資金調達を達成している。
今回、資本業務提携を発表したインベスターズクラウドは、同社が提携する賃貸物件や民泊サービスとの連携を進める計画とのこと。Secualは今回調達した資金で開発体制の強化にも力を入れる計画で、高齢世帯向けの見守りや他の事業者と提携して、緊急時には人が駆けつけることができるサービスなどを検討している。