2016年3月に1億円以上の資金調達をした国内のスタートアップを18社まとめました。メルカリやビズリーチが大型調達を果たす他、ドローンやバーチャルリアリティなどの最先端分野への投資が目立ちます。
ファイブ株式会社
ファイブ株式会社はモバイルビデオ広告のプラットフォームと、短尺動画制作を行うスタートアップ。
同社は初めに広告配信サーバーを立ち上げ、5秒の短尺動画広告の配信で事業を開始した。その結果1つの作品における、月間約1,500万PVの動画広告になっているようだ。この5秒の短尺動画を2015年4月から、「FIVE VIDEO NETWORK」という名称で展開している。
今回の資金調達額は非公開だが、数億円の調達を実施しているとのことで、第三者割当増資の引受先はアイ・マーキュリーキャピタル、East Ventures、既存投資家のグリーベンチャーズ及びDonuts。
資金使途は人材採用の強化やマーケティング投資などを進める予定とのこと。
UcarPAC株式会社
UcarPAC株式会社は「中古車の新しいカタチ」をビジョンに、一括見積りサイトの「Ucar査定」、ユーザー車入札サービス「UcarBID」など中古車売買仲介サービスサイトの開発、運営を行うスタートアップ。
今回の資金調達額は総額1億5,500万円で、SMBCベンチャーキャピタル、ライダース・パブリシティ、日本政策金融公庫から第三者割当増資と資本性ローン等を組み合わせて実施されている。
資金使途としては、全国のガソリンスタンドをメインに展開する「Ucar査定サービスネットワーク」の構築に充てられる見込み。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリは、スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」の開発およびサービスの運営を行うスタートアップ。
同社が提供するCtoC特化型フリマアプリのダウンロード数が日本で2,500万件、米国で700万件、合計で3,200万件を達成。
今回の資金調達額は総額なんと約84億円と大規模な調達に成功しております。三井物産、日本政策投資銀行、ジャパン・コインベスト、既存株主のグロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL LLC.、グローバル・ブレイン、経営陣を引受先とした第三者割当増資によるもの。
資金使途としては、このグローバル展開と国内でのサービス拡大に充てられる見込み。
株式会社iCARE
株式会社iCARE(アイケア)は新たな仕組み・テクノロジーで低コストで質の高い効率的なヘルスケアを目指すスタートアップ。
チャットアプリから従業員の健康相談に応じる、法人向けサービス「carely」の開発・提供を行い、心療内科医のノウハウをもとに企業のメンタルヘルス問題を根本から解決するクラウド型サービス。
今回の資金調達額は約1億円で、インキュベイトファンド3号投資事業有限責任組合に対する第三者割当増資によるもの。
資金使途は、経営体制、開発体制、マーケティング体制の強化に充てるとのこと。
Repro株式会社
Repro株式会社は、モバイルアプリ向けのアナリティクス・マーケティングツールである「Repro(リプロ)」の開発・運営を行うスタートアップ。
このReproは、ユーザーがモバイルアプリを操作する行動を自動で検知し、ユーザーのリテンションレート(顧客維持率)やUI改善などのアプリ開発を支援する、SDKを提供するサービス。
従来のクラッシュ検知などとは違い、アプリを起動してから落ちるまでの動画をもとに、Reproは動きを再現し、事実ベースで開発側にフィードバックすることができ、デバックの効率化を図ることができる。
今回の資金調達額は総額3億円で株式会社ジャフコ、株式会社VOYAGE VENTURES、個人投資家を引受先とした第三者割当増資によるもの。
調達した資金で、アプリ開発に向けた人材獲得や、米国進出に向けたテストマーケティングなどを行うようだ。
株式会社TORICO
株式会社TORICOは、紙書籍に加えて電子書籍も販売する、漫画に特化した販売サイト「漫画全巻ドットコム」をはじめとして、マンガに特化した各種サービスを運営するスタートアップ。
また、日本のマンガを世界中の誰もが自国の言語に翻訳できるプラットフォーム「Subch(サブチャンネル)」も運営している。
今回の資金調達額は1億6,000万円で三菱UFJキャピタル、日本アジア投資、VOYAGE VENTURESを引受先とする第三者割当増資によるもの。
調達資金は同社が持つサービスの「スキマ」のサービス向上や、開発チームの加速をめざしたエンジニア採用などに充当するとのこと。
グランドデザイン株式会社
グランドデザインはショッピングモールスマホアプリ「Gotcha!mall」を運営しており、カプセルトイの感覚で飲食店や有名ブランドの割引クーポンが引けるユニーク性が特徴。
導入企業には、全国規模の飲食店チェーンや大手企業が並び、ショッピングモールとしては急成長をしている。
今回の資金調達では、このGotcha!mallにおけるユーザーの獲得、運営体制の強化、新機能追加に伴うシステム開発、海外展開などを視野に入れ、事業の成長スピードを押し上げることとしている。
株式会社セフリ
株式会社セフリは福岡を拠点に、登山者向けの総合プラットフォーム「YAMAP(ヤマップ)」を運営しているスタートアップ。
YAMAPの特徴は電波が届かない場所でも3万円〜10万円ほどする、専用GPS機器と同等の性能があるGPSを使って無料で経路を確認したり、登山記録や山に関する情報を他のユーザーと共有できるオンラインコミュニティーになっていること。さらに登山にかかった時間を記録する機能や、地図上で旬な情報を得ることができるなど、総合的な支援アプリ展開を行っている。
資金調達額は総額約1億7,000万円で、株式会社コロプラ、大和企業投資株式会社と株式会社ドーガンがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資によるもの。今回調達した資金は、利益化するまでの間の運転資金に充当する見込み。
株式会社FOLIO
株式会社FOLIOは、独自の投資運用プラットフォームを開発しているスタートアップ企業。
サービス内容は、世界中のETF(上場投資信託)から、一人ひとりに合った最適な国際分散投資を提供するロボアドバイザーシステムとなっている。その中でも、プライベートバンクやヘッジファンドなどが利用する、最先端の投資技術を高いUXで提供する投資運用プラットフォームを目指している。現在は年内のサービス開始へ向けて準備中で、「Folio(フォリオ)」というサービス名で展開していくとのこと。
今回の資金調達額は総額3億円で、DCMベンチャーズとDraper Nexus Venture Partnersを引受先とする第三者割当増資によるもの。
資金使途は人材の採用とバックエンドシステム開発等を進めていくとのこと。
株式会社サマリー
世界中の人の「欲しい」と「持っている」で繋がる、新感覚のモノ系ソーシャルネットワーキングサービス「Sumally(サマリー)」の運営を行うスタートアップ。その他に寺田倉庫と協業し、スマホアプリで自分の持ち物をレンタルスペースに預けることのできる収納サービス「Sumally Pocket(サマリーポケット)」を提供している。
今回の資金調達額は約2億円で、寺田倉庫株式会社を引受先とする第三者割当増資によるもの。資金使途としては、新機能の開発やプロモーションの強化に充てるとのこと。
株式会社FOVE
株式会社FOVEは、VRヘッドマウントディスプレイにアイトラッキング機能(視線追跡カメラ)を付けたVR「FOVE(フォーブ)」を開発するスタートアップ企業。FOVEは、ディスプレイ内にあるオブジェクトに視線を向けることでVRの「入力」の問題を解決する仕組みがある。例えば、アイコンタクトでキャラクターが反応でき、3D空間のどこを注視しているのかを正確に計算することが可能になるようだ。
資金使途としては、2016年秋の製品発売に向けた量産の加速、中長期的な研究開発体制の強化に充てるようだ。また、視線追跡機能を活かしたVRコンテンツの拡充のための業務サポートなどを視野に展開をしていくと発表している。
株式会社リーズンホワイ
株式会社リーズンホワイは、医療分野で個人向けから専門医向け・行政向けなど複数のサービスを展開するスタートアップ。
そのサービスの中には、医療機関向けの分析ツール「リーズンホワイ・ストラテジー」、専門医の能力やスキルを見える化し、その可能性を最大化する実名による専門医限定ネットワークサービス「Whytlink(ホワイトリンク)」がある。また、医師と患者がマッチングできるサービス「FindMe(ファインドミー)」も、今年の夏にリリースする予定とのこと。
資金使途としては、事業基盤の強化と既存事業「リーズンホワイ・ストラテジー」のシステムをリニューアル、「Whytlink」の医師ユーザー数の獲得強化に使用する見込みとのこと。
株式会社自律制御システム研究所
株式会社自律制御システム研究所は、千葉大学発のドローン開発を行うスタートアップ企業。
同社が開発する商品にミニサーベイヤーMS-06LAというドローンがあります。現在、世界中の自律飛行型ドローンのほとんどはGPSに頼って飛行する中、このミニサーベイヤーはGPSが使えない場所でも、自己位置推定と環境地図作成を同時に行うスラムを活用し、自律飛行ができる特徴を持っている。
資金使途としては、産学官連携の位置付けで楽天株式会社と連携し、ゴルフ場の利用者に対して、飲み物やゴルフボールなどを届けるサービスを提供する実証実験を行うとのこと。
株式会社アップシーエム
株式会社アップシーエムは、スマートフォン向けの動画広告プラットフォームを手掛けるスタートアップ。
同社のサービス「App-CM(アップシーエム)」は、スマートフォンのアプリやウェブサイトに美しく動画広告を表示できる仕組みがある。特徴の一つとして、従来の仕組みで平均4MB程度あった動画広告のデータ量を、最大圧縮時で200KB程度にまで抑えることができる。
資金使途は中国進出や、インドのスタートアップ・アクセラレータのGreen House Venturesとインド市場への拡大を加速させることに使用するとのこと。
株式会社ビズリーチ
- 発表日
- 2016年3月29日
- 調達先
- YJキャピタル、ジャパン・コインベスト、楽天、電通デジタル・ホールディングス、Salesforce Ventures、グリー、リンクアンドモチベーション、EFU Investment Limited、IMJ Investment Partners Japan Fund、East Ventures
- 資金調達額
- 37億3,000万円
株式会社ビズリーチは、即戦力人材特化の会員制転職サイト「BIZREACH(ビズリーチ)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、20〜30代をターゲットにした人工知能が最適な仕事を選ぶ転職サイト「キャリアトレック」の3つの転職サービスを展開するスタートアップ。
同社は今年度5月から、クラウド型の採用管理システム「HRMOS(ハーモス)」の提供も行っている。
調達した資金は2015年5月にリリースしたスタンバイをはじめとする、オンライン求人・採用管理関連の事業の拡大に使用するとのこと。
株式会社マンションマーケット
株式会社マンションマーケットは、マンションの売ったり買ったりを、もっとスマートにする不動産情報サイト「マンションマーケット」を運営しているスタートアップ。
このサービスは、様々な不動産サイトをクローリングすることで、物件の価格情報を集約し、地図上で中古マンション価格相場を一覧できるマンションスコアマップを組み込んでいる。マンションノートとデザインやコンセプトが似ているが、全くの別物。
今回の資金調達に伴い、サービスの拡充の一貫としてITを駆使した新しい不動産取引の発展を目指すとのこと。
KAMARQ HOLDINGS PTE.LTD.
IoTを使い様々な仕組みを家具に組み込む高性能・高品質ブランド「KAMARQ(カマルク)」を運営するスタートアップ。
KAMARQはプロダクトの第一弾として、スピーカーを内蔵したテーブル「SOUND TABLE」を手掛けている。この商品は、テーブルとスピーカーを掛けあわせたIoT家電という位置付け。SOUND TABLEの専用アプリから音楽を選んで再生できたり、住所を登録しておくことで、天気が変わった時に、洗濯物の取り込み忘れ防止の機能も備わっている。
今回の調達資金は「SOUND TABLE」の製造やシステム開発、人材拡充に利用すると発表している。
株式会社MediBang
株式会社MediBangは、無料のマンガ制作ソフト「クラウドアルパカ」や、スマホ向けネーム制作アプリ「マンガネーム」を提供するスタートアップ。さらに、電子書籍サイト「メディバン」や、無料で使用できる次世代ペイントソフト「メディバンペイント」を展開している。このメディバンペイントは、リリースから1年にも関わらず、3月時点で累計400万DLを突破し、アメリカ・中国・ブラジル・東南アジアなどを中心に世界各国で急速にユーザーを増やしている。
資金資金は電子書籍サイト「メディバン」と、次世代ペイントソフト「メディバンペイント」の開発費用及び事業展開に利用するとのこと。